Yasuo's Notebook

ソフトウェア開発の話題が中心の備忘録です。

11/9 Agile Tour Osaka 2019 × miniPLoP

11/9に大阪の池田市Agile Tour Osaka 2019 × miniPLoPを開催します。
Agile Tourとは毎年秋に世界中の都市でアジャイル開発に関するイベントを開催し共有するという趣旨のヨーロッパ発の世界的なイベントです。日本ではAgile Tour Osakaとして2010年から毎年開催しており、今年で10回目となります。
2014年からは継続的にアジャイル開発とも関係が深いパタンランゲージを取り上げてきました。
今年は、鷲崎先生やJoseph Yoderさんにご協力いただきminiPLoPと同時開催することになりました。

www.kokuchpro.com

午前中の講演は@kyon_mmさんにお願いしました。@kyon_mmさんは、たぶん2012年のTDDBC大阪でお会いしたのが最初だと思います。初対面でしたが、太田さんや井芹さんと一緒にTDDのお題を作って、とても短時間で良い共同作業ができたことを覚えています。JaSSTや、Regional Scrum Gathering Tokyo 2019などでいつも刺激的で示唆に富んだ講演をされていて、お話しするのが楽しみな方です。
今回Agile Tour Osakaでお話ししていただきたいと思ったのは、@kyon_mmさんの過去の講演内容やSNSでの会話から、パタンランゲージとの関係性を感じていて、Agile Tour Osakaで発表していただくことで、今まで聞いたことがない興味深いお話しになりそうだと考えたからです。
今回@kyon_mmさんから講演タイトル「ソフトウェアシステム設計におけるアレグザンダー理論の活用。数理的システム設計手法の提案。 -15の幾何学的特性とパタンランゲージ-」をお知らせいただいて、その期待は更に高まりました。「15の幾何学的特性」はアレグザンダーの
著書「Nature of Order」で説明されている生き生きとしたものに現れる構造的な特徴です。@kyon_mmさんはその考え方をシステム設計に活用されているということです。今からどのような内容かとても楽しみです。

午後は、Hillside GroupのJoseph Yoderさんにパタンランゲージの入門ワークショッップをしていただく予定です。関西でパタンランゲージのワークショップをする機会はとても限られているので、興味のある方は逃さずに参加してください。そして、最後は早稲田大学の鷲崎先生による「アジャイル品質パターンのワークショップ」(Workshop on Agile Quality)」です。鷲崎先生はアジャイル品質パターンについて継続的に取り組まれています。

www.slideshare.net

今回は参加者の皆さんと一緒に新たなパターン候補を探るという内容になっていて、とても濃い議論ができそうです。

関西でアジャイル開発とパタンランゲージにフォーカスしたイベントが行われる機会は本当に少ないですが、アジャイル開発とパタンランゲージの関係は深く、今までパタンランゲージについて知らなかった方はこの機会に是非参加してください。

2017年ふりかえり

2017年も残り2時間ぐらいとなりました。今年の最初の投稿がふりかえりになってしまいましたが、なんとか間に合いました。

1月 
Regional Scrum Gathering 2017に参加しました。2016年はいろいろと大変なことがあって、新しいことに取り組む意欲が低下していたのですが、このイベントに参加して、刺激を受けてモチベーションが高まりました。基調講演で長沢さんに言及していただいたこと、Rachel Daviesさんの
講演でヒントを得て会社での取り組みに活かすことができました。
 
2月
Regional Scrum Gathering 2017で伊藤さんの講演に参加したことをキッカケに伊藤さんと一緒にアジャイルメトリクスパタンをAsian PLoPに投稿しました。短期間での執筆でしたが、伊藤さんの資料にパタンがたくさん含まれていたので、スムーズに投稿まで進めることができました。

5月
関西で初めて行われる派生開発カンファレンスにパネルディスカッションのパネリストとして登壇しました。
派生開発カンファレンスはいつもは横浜で開催されていましたが、今まで都合が合わずなかなか参加することができていませんでしたので、参加することができて嬉しかったです。
この時にパネルディスカッションでご一緒した派生開発のXDDPの提唱者である清水さんが11月にご逝去されました。
清水さんと私の出会いは2012年のSQiPシンポジウムだったと記憶しています。
清水さんのことはXDDPの提唱者として以前から知っていました。2010年には私自身XDDPを実践していまたが、清水さんの本に必ずしも忠実に実施していたわけではありません。清水さんと私が実践していた内容について会話した際には、「それでうまくいっているのであれば問題ない」と言ってくださったのを覚えています。
その後も、いろいろなイベントで清水さんと顔を合わせてお話ししました。私がアジャイル開発とXDDPの両方を実践していたこともあり、私のSQiPの特別講演も聞いてくださって、コメントをいただいたりもしました。
それでもなかなか一緒に登壇するということはなかったのですが、それがようやく実現したのが今年のカンファレンスでした。
本当に残念です。清水さんの最後までエンジニアとして前向きに社会を変えていこうという姿を忘れずに私も前に進んでいきたいです。

9月
実行委員をしているSQiPシンポジウムに参加しました。例年は何かしらセッションを担当していたのですが、今年は仕事が忙しかったこともあり、司会ぐらいしか貢献することができませんでした。来年はもう少し貢献したいと思います。
あと、中村さんと久保さんにお誘いいただいて@m_sekiさんと一緒に DevLove関西で製造業での反復開発をテーマとしてイベントでお話ししました。参加者の皆さんとディスカッションを活発にさせていただき私も気づきがたくさんありました。

10月
森崎さんから声をかけていただき、情報処理学会でレビューの改善事例についてお話しさせていただきました。
詳細は、@acha_821さんがブログでまとめていただいています。
http://okandayo.hatenablog.com/entry/2017/12/25/001544

12月
JaSST ’17 Tokaiで基調講演をさせていただきました。
@yuki_shiro_823さんがブログにまとめていただいています。

http://d.hatena.ne.jp/yuki_shiro/20171212/1513036206

この講演では、過去にJaSST KansaiやJaSST Hokkaidoでお話しした実験的アプローチになる現場改善を下敷きに活動をFearless Changeのパタンの組み合わせで説明しました。
Fearless Changeのパタンを使用した事例として参考にしていただけると幸いです。あと、山本さんと講師控え室で色々とお話しできたり、@kyon_mmさんのSIGに参加して、色々と刺激を受けました。

また、今回で8回目となるAgile Tour Osakaを開催しました。今回もパタンランゲージについて取り上げました。
来年度も継続したいと思います。

今年は、仕事が忙しかったこともあってコミュニティ活動があまりできませんでしたが、その中でも講演依頼をいただいて参加したイベントで私自身が刺激を受けてモチベーション上げてこの1年を乗り切ることができました。
2017年にお世話になった皆様、ありがとうございます。2018年もよろしくお願いします。

2016ふりかえり

あと3時間足らずで今年も終わりますので、駆け込みで2016年のふりかえりを書いてみます。
今年は本厄ということで、年初にお参りにいっていたのですが、まさに厄年らしい一年だったと思います。
一番、大変だったのは、3月に扁桃腺が大きく腫れて点滴生活が2週間続き体重が10kg程度減少したことでした。結局咳が出る症状が続き、複数の病院にかかって検査もいろいろとしたのですが、なかなか治らずに長引いてしまいました。
今は完全に元通りではないのですが、日常に支障がない程度には回復しています。会社の方も所属組織が大きく変わり、人間関係でも困難な部分がありましたが、なんとか年末を迎えることができました。
あと、10月に引っ越しをしたことも大きな変化でした。私の実家の近くの大阪府豊能町に引っ越しをしました。通勤時間は少し伸びましたが、非常に緑の多いところです。近くにコンビニがなかったり、近所で野生の鹿に遭遇するようなところですが、いいところでとても気に入っています。
今年はコミュニティの活動にはあまり貢献することができませんでしたが、そんななかでも実施した活動をふりかえります。

1月
・Regional SCRUM GATHERING Tokyo 2016でアジャイル同人誌Ultimate Agile Storiesの頒布をさせていただきました。Agile Tour Singaporeでセッションを聴いたBas Voddeさんの話をもう一度東京で聞いたり、同じくシンガポールで知り合いになったTai Huynhさん、Misako Naganoさんに再会したりして非常に嬉しかったです。

3月
・JaSST TokyoでUltimate Agile Stories頒布をさせていただきました。Iteration1のころから頒布をさせていただいていて、毎年スタッフの皆さんにも暖かく受け入れていただき感謝しています。
最初に出したころに比べると、アジャイルコミュニティとテストコミュニティの交流は深まったと実感しています。
UASもそれに少しでも貢献できていれば嬉しいと思います。あと、永田さん、天野さん、和田さんと一緒にセッションをしました。
・SQiPシンポジウム委員として「ソフトウェアシンポジウム投稿のすすめ」というイベントを企画しました。
このイベントはSQiPシンポジウムに限らず、ソフトウェアエンジニアがシンポジウムやカンファレンスに論文や経験発表を投稿することの意義を伝えるためのイベントでした。阪井さん、松井さんに協力いただき非常に有意義なイベントになりました。
Agile Tour Singapore2015でしたAgile Tour Osakaの紹介LTの動画がInfoQで紹介されました。原田さんにとても
助けてもらって、なんとか話せたセッションでした。

6月
・米子で開催されたソフトウェアシンポジウムに参加しました。中埜先生と懸田さんのワークショップに参加し2日間非常に濃い体験をさせていただきました。Agile Tour Osakaで企画したことがキッカケになったということで嬉しいです。

9月
・SQiPシンポジウムにシンポジウム委員として参加しました。今年も併設チュートリアルの企画を主に担当しました。
今年も講師の皆様にお力によりとても充実したチュートリアルになりました。ありがとうございます!
本会議では、誉田さん、小笠原さん、荻野さんと一緒にアジャイルとメトリクスをテーマにしたパネルをしました。
本番にいたるまでの打ち合わせも含めてとても有益な議論ができたと思います。
また、参加されていた伊藤さんと議論できたのも嬉しかったです。
XP祭りでUltimate Agile Storiesの頒布をさせていただきました。牛尾さんの基調講演を聞けてよかったです。
今年は、いろいろと困難もあったのですが、牛尾さんの自分が感じること、思うことを周りの雑音に萎縮せずに発信していく姿勢に個人的に救われたので、とてもありがたく思っています。

10月
・SPI Japan2016に林さんにお誘いいただいてクロージングパネルに出ました。林さん、岡島さん、安達さんと
いう尊敬する方々とご一緒することができてとても嬉しかったです。

12月
Agile Tour Osaka2016を開催しました。今年で7回目の開催です。今年はここ数年取り上げてパタンランゲージ
アジャイル開発との関わりをテーマに企画しました。小林さん、原田さん、Joe Yoderさん、長沢さんという素晴らしいスピーカーの皆さんのおかげてとても良い内容になりました。
また、毎年スポンサーとなっていただいているテクノロジックアートさんに感謝しています。来年も、Agile Tour Osakaらしい企画ができればと思います。

来年度は、今年いろいろあったことをふっきって、前向きに活動していけたらと思いますのでよろしくお願いします!

12/3(土)Agile Tour Osaka 2016開催します!

今年もAgile Tour Osakaを開催します。

www.kokuchpro.com

2010年に開始したこのイベントも今年で7回目になります。
今回もテクノロジックアートさんにスポンサーとして支援していただいています。

Agile Tou Osakaでは、ここ2年間はパタンランゲージを取り上げてきました。特に昨年はパタンランゲージの生みの親であるアレグザンダーと一緒に仕事をされていた中埜先生をお招きして、パタンランゲージに本質について学ぶことができました。今年もパタンランゲージを取り上げつつも、アジャイル開発の観点でのパタンランゲージについて取り上げます。

今回はまず最初に、ここ2年間の復習を兼ねて、パタンランゲージについて小林 修さんにお話していただきます。過去のAgile Tour Osakaに参加されていた方は、ここでしっかりと復習をしていただけますし、参加されなかった方もこのセッションを聴いていただければ心配ありません。

次に原田 騎郎さんとJoe Yoderさんによる「 Introduction to Scrum Patterns(スクラムパタン入門)」です。このセッションではScrum PLoPというスクラムをパタンランゲージとしてまとめる活動により作られたパタンについて取り上げます。Scrumの本質の一端を見ることができるセッションになると思います。Joe YoderさんはPLoPを主催しているThe Hillside GroupのPresidentをされている方で今回Agile Tour Osakaにゲスト参加していただけることになりました。
日本にも来られたことがあり、以下のようなイベントで登壇されていました。
特別セミナー「アジャイル品質とソフトウェアパターン」 2月22日 | Reliable Software Engineering, Washizaki Laboratory

最後は長沢智治さんによる「アジャイル ブッフェ 〜 現場コンテキストに合わせたプラクティスの取り分けワークショップ〜」です。このワークショップは以前XP祭りで長沢さんと、吉羽さんがされていたもので、私も参加させていただきました。自分たちのコンテキストにあったプラクティスの組み合わせは何かを考えるワークショップで、とても実践的で学びがありました。
この2年間のAgile Tour Osakaで中埜先生や懸田さんからパタンランゲージについて教わった今になってみると、このワークショップは、XPというパタンランゲージからプロジェクトランゲージを考えるワークショップだったのかもと思うようになり、今回、アジャイル開発とパタンランゲージというテーマを取り上げるにあたって、是非実施したいと考え長沢さんに無理を言ってお願いしました。

関西ではめったに得られない良い機会ですので、皆様のご参加をお待ちしています。

SQiPシンポジウム2016併設チュートリアル

今年もソフトウェア品質シンポジウム(SQiPシンポジウム)が9月に開催されます。今年は9月14日が併設チュートリアル、9月15日、16日が本会議となっています。現在、参加申し込み受付中です。

https://www.juse.jp/sqip/symposium/form/step1/

今回は併設チュートリアルについて紹介させていただきます。プログラムは以下に掲載しています。
https://www.juse.jp/sqip/symposium/detail/tutorial/

このチュートリアルは本会議の前日に実施される半日の講義です。本会議とは個別に申し込むことも可能です。
毎年、非常に充実したプログラムでどれか1つを選ぶのが難しいという嬉しい感想をいただくのですが、今年も素晴らしい講師陣の方々によるプログラムを企画することができました。

テスト分野では、湯本さん、薮田さん、皆川さんというTPINEXTの翻訳者3人揃い踏みでテストプロセス改善を解説していただきます。また、小井土さんによるキーワード駆動テストのハンズオンも用意しています。

メトリクスについては、第一人者である野中先生による解説です。現場でメトリクスの有益さを実感できる活用方法について学んでいただきます。

プロジェクトマネジメントのテーマでは、松山さんにCCPMのテーマをお願いしました。CCPMは本シンポジウムの一般発表でも何度か取り上げられて興味がある方も多いと思いますが、実際に導入するまで至っていたない方が多いと思います。
今回松山さんは 『「これならCCPMできる」と思えるところまで解説します。”』と力強いお言葉をいただいておりますので、かなり期待大です。

ソフトウェア再利用については、ソフトウェアプロダクトラインの第一人者である林さんにお願いしました。林さんには、かなり以前に、「どこかで機会があれば派生開発など他の再利用の方法がある中でソフトウェアプロダクトラインの
位置付けをお話ししてほしい」とお話ししたことがあって、今回の機会にそれをお願いしました。こちらもとても楽しみなテーマです。

プロセス改善については、安達さんにSaPID+を活用した自律運営チームの構築について取り上げていただきます。安達さんについては、解説不要だと思いますが、プロセス改善において素晴らしい成果を挙げられているだけではなく、その方法を
手法として、広げる活動も活発に実施されています。プロセス改善に「やらされ感」がでてしまってなかなか有効な活動にならないとお悩みの方は特に受講をおすすめします。

アジャイル開発については、今年は、平鍋さんにお願いすることができました。近年、アジャイル開発は急速な広がりを見せています。今まで導入してこなかった分野や企業でも、アジャイル開発導入の検討をしているという声を聞きます。
本テーマでは、「アジャイル開発がなぜ必要なのか?」を理解した上で、導入の取り組みの中で発生する様々な障壁について、対処方法を議論します。また、ワークショップによってアジャイル開発の利点を体感していただきます。

最後のテーマは、新しい技術や手法を組織に取り入れるためのパタンランゲージである「Fearless Change」を取り上げます。講師は楽天の川口さん、高橋さんです。
このようなシンポジウムに参加すると、いろいろな取り組みを聞いて、アイデアが出てきて、「これをやってみたい!」というモチベーションが高まります。しかし、現実には「やってみたい!」だけでは、何も起こらず「実際に組織に取り入れて成果を出す」ことが必要です。
そのためには、自分一人ではなく、周りを巻き込んで、仲間を作って、組織や上司の力も活用しながら、活動していく必要があります。
併設チュートリアルでFearlessChangeを学んで、本会議で出会った良い手法を導入するという流れはとてもおすすめのコースになりますので、是非ご検討ください。

これだけ書いて、この中から1つ選べというのは酷だと思い少し反省しています。
本当に貴重な機会ですので、是非ご参加をお願いします。

カンバン仕事術

「Kanban in Action」の日本語訳が発売されました。題して「カンバン仕事術」、そのタイトルの通り、特定のソフトウェア開発手法の紹介ではなく、多くの現場で適用できる具体的な方法が書かれています。

www.amazon.co.jp

今日現在、Amazonに在庫がないですが、ヨドバシは在庫ありのようです。

http://www.yodobashi.com/カンバン仕事術―チームではじめる見える化と改善-単行本/pd/100000009002541510/


第1章では、チーム「カンバネロス」というチームがカンバンを活用して仕事を改善していく物語になっています。とても楽しく読めて、カンバン仕事術の導入によってどのような問題が解決されるのかを共感を持って理解することができます。
そして2章以降では、カンバンの基本と応用についてしっかりと解説しています。
内容について是非、本を手に取って読んでいただければと思いますが、私が特に気づきがあったところを少し紹介します。

1.電子とアナログの二重帳簿問題
カンバンは基本的にはアナログで実践しますが、開発チームが分散している、メトリクスを分析したいなどJIRAやRedmineのようなシステムでも管理をしたいというニーズがあります。
本書では、この二重帳簿問題について方針が書かれています。特に「電子システムでは、簡略化されたワークフローを確認できるようにしておこう。」(P.80)というやり方は今まで考えたことがなかったので「なるほど!」と思いました。

2.優先順位フィルター
優先順位をうまくつけるために、優先順位3、優先順位2、優先順位1のような列を用意してWIPを制限することにより適切に優先順位付けが可能になるというテクニックです。
全ての項目の優先順位が高くなってしまうというよくある問題に対して、非常に効果的な方法だと感じました。

3.根本的原因分析
ふりかえりを実施しても、チームで解決が困難な問題については表面的な対処になりがちです。そのような難しい問題を解決するには、問題の真因を明らかにして共有し、知恵を絞って根本的な問題を解決する対策を立案、実行する必要があります。
「10.2 根本的原因分析」ではいわゆる「なぜなぜ分析」を活用し、自己強化型ループのような因果ループを使って問題の構造を明らかにする方法が解説されています。
実はこの方法は私も実践することがあって、非常に効果的ですので、ふりかえりで表面的な改善しかできていないと感じている方はこの本を読んで是非実践してみてください。

この他にも、たくさんの知恵がこの本で紹介されています。
チームの人数などの制限でなかなかスクラムを導入できないという人も、本書に書かれている方法はすぐに取り入れることができます。そういう活用範囲の広さが「仕事術」というタイトルにメッセージとして表されていると感じました。
まずは、自分の今の仕事を、カンバン仕事術を使って改善してみましょう。

3/11「ソフトウェアエンジニアのシンポジウム投稿のススメ」を開催します

3/11に大阪で「ソフトウェアエンジニアのシンポジウム投稿のススメ」と題したイベントを開催します。
募集は既に開始しており、下の募集サイトから申し込みできます。

www.kokuchpro.com

ソフトウェア関連の様々なシンポジウムでは、経験論文や経験発表を公募しています。
今回のイベントでは、これらのシンポジウムでの発表にチャレンジする意義について取り上げます。
阪井さんには、論文の書き方について講演してもらいます。経験豊富な阪井さんのノウハウが聞けるので実は私もすごい楽しみにしてます。
「論文なんて書く事がないから関係ない」と思うかもしれませんが、他の人に自分の考えや手法などを正しく伝えるために役にたつノウハウなので、全ての技術者の方に参考になる内容です。

また、石川さんには、2014年、2015年にSQiPシンポジウムで発表していただいた経験談とSQiPシンポジウム2015で発表した内容の再演をしていただきます。石川さんのSQiPシンポジウムの発表内容はテスト自動化に関するとても興味深い内容です。
OSSの開発者というSQiPシンポジウムでは珍しい属性の石川さんが、発表して得られたことなどについて話していただけると期待しています。

私自身もSQiPシンポジウム、SPI Japanなどに投稿し発表させていただきましたし、JaSST Tokyoや、ソフトウェアシンポジウムなどにもスピーカーや一般参加者として参加してきました。その中で、新しい取り組みをするキッカケを見つけたり、自身の発表について貴重なフィードバックをもらえました。特に、普段コミュニティで活動している仲間とは異なる幅広い人と交流し、発表を聞いたり、フィードバックをもらえたことが、自身の幅を広げるために有用だと感じています。
大阪の方は是非、3/11に足を運んでいただければ幸いです。