Yasuo's Notebook

ソフトウェア開発の話題が中心の備忘録です。

Ultimate Agile Stories Iteration4をコミックマーケット86(日曜日 東N-34b)で頒布します

今年もアジャイル同人誌Ultimate Agile Storiesの新刊のIteration4を8/17(日)に東京ビッグサイトで行なわれるコミックマーケット86にて頒布します。
場所は東地区N-34bです。
今年の記事は以下の通りです。

Iteration4執筆者・タイトル一覧

今年も素晴らしい記事を皆さんからいただき、究極のアジャイル同人誌の名に恥じない本になったと思っています。
当日はソフトウェアテストの同人誌さーくるWACATEなどソフトウェア開発に関係する同人誌が本誌以外にも複数頒布されますので、この機会に是非、コミックマーケット86に足を運んでいただければ幸いです。

SQiPシンポジウムの併設チュートリアルがすごい!

私が実行委員をさせてもらっているSQiPシンポジウム(ソフトウェア品質シンポジウム)の前日(9月10日午後)に実施される併設チュートリアルですが今回もすごい面白いプログラムになっています。

http://www.juse.jp/sqip/symposium/timetable/tutorial/

併設チュートリアルは本会議とは別に申し込めるので本会議は都合が付かないかたも参加できます。本会議もとても充実した内容になっていますので、チュートリアルに興味を持った方は本会議のプログラムも見ていただき是非、参加をご検討ください。

http://www.juse.jp/sqip/symposium/timetable/day1/

http://www.juse.jp/sqip/symposium/timetable/day2/

どのチュートリアルも面白そうなので一つ選ぶのがツライ感じなのですが、今回私が
特におすすめするのは以下の2つのチュートリアルです。

LEGO®を使ったスクラムシミュレーション
http://www.juse.jp/sqip/symposium/detail/tutorial/#tutorial_7

関数プログラミング入門
http://www.juse.jp/sqip/symposium/detail/tutorial/#tutorial_8

角さんのレゴスクラムアジャイル界隈の方ならご存知の方も多いと思います。レゴを使ってスクラムを体験できるワークショップですので、会社でスクラムを知ってほしい方などを誘って行かれてはいかがでしょうか?

山本さんの関数プログラミング入門もHaskellを用いた関数プログラミングについて学べる貴重な内容です。山本さんは Amazon.co.jp: プログラミングHaskell: Graham Hutton, 山本 和彦: 本の翻訳をされています。関数プログラミングをこの機会に学んでみてはいかがでしょうか?

今迄、SQiPシンポジウムに馴染みがなかった方に是非このチュートリアルをキッカケにSQiPを知っていただけると幸いです。

8/23(土)レゴスクラムが大阪で開催!

8/23(土)に大阪で角 征典さんによるレゴスクラムが開催されます!

レゴスクラム in 大阪 - LEGO®を使ったスクラム研修(レゴスクラム) | Doorkeeper

このワークショップはレゴを使ってスクラムを実体験できるというもので、今迄様々な場所で実施され非常に好評なワークショップです。
角さんは多数の技術書の翻訳で有名ですが、スクラムガイドの日本語版の翻訳者でもあります。

https://www.scrum.org/Scrum-Guide

スクラムをやってみたい」「スクラムって何がよいのかわからない」「他の人にスクラムを広めたい」など様々なニーズに応えれる内容になっています。
関西で開催される基調な機会ですので、是非、参加をしてください!

「納品をなくせばうまくいく」を読みました

倉貫さんのAmazon.co.jp: 「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識"を変えるビジネスモデル: 倉貫 義人: 本を読みました。
迷いのない明瞭な語り口で倉貫さんが作り上げてきたビジネスモデルである納品のない受託開発 - SonicGarden 株式会社ソニックガーデンについて語られています。以前から倉貫さんとはアジャイルコミュニティでお付き合いさせていただいていることもあって、倉貫さんの声が聞こえてくるような感覚でした。
初めて倉貫さんにお会いしたのは2006年のワッハ上方で行われたXP祭り関西だったと記憶しています。そのころ、倉貫さんは大手SIerにおられて、エンタープライズでのアジャイルについて発信されていました。この頃、苦労されたことが今の「納品のない受託開発」に繋がっていることが垣間見られました。そして、2010年にXP祭り関西に再び倉貫さんに来ていただいて話していただいたのが「XPの10年を振り返る」XP祭り関西2010(倉貫)です。このスライドを今見てみると、この書籍で語られていることの主要な部分が既に触れられています。
以前から、たびたび聞かせていただいていた「納品のない受託開発」ですが今回書籍を読んで私なりにこのビジネスモデルについて考えてみました。

書籍の中では一括請負のビジネスモデルと「納品のない受託開発」の比較が随所にされています。
まず、人材派遣について考えてみます。(青が正の作用、赤が負の作用)

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これはあきらかに、スキルが低い方が売り上げも収益も高くなります。ただし、顧客満足度はスキルが低いと低くなるので、持続性がなく、このままでは売り上げも収益も減少してしまうでしょう。ただ、危機感は高まりにくく、エンジニアのスキルのための投資は行われにくいように思います。

次は一括請負です。

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これは少々複雑になりました。スキルが高いエンジニアの方が効率が高く品質も高いため、収益面でも顧客満足度の面でもエンジニアのスキルを高める投資をした方が良いという方向性になりやすいと思います。
私は、書籍で書かれているよりもこの感覚に近く、一括請負というビジネスモデルではエンジニアのスキルは重要視される傾向にあるという組織も多いのではないかと感じています。
ただし、見積もりに関しては指摘されている通り、スキルの低いエンジニアを基準にした方が高くなり売り上げも上がります。大きい売り上げで少ない工数で仕上げると利益になる一方で、見積もりが高すぎると競争力がなくなるため、このバランスを取る経営になると考えられます。

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納品のない受託開発はとてもシンプルです。
スキルが高いほど、効率、品質が上がり、それはそのまま契約数の増加に繋がります。契約数が増えると収益が上がり、エンジニアが評価され、スキルアップのモチベーションが高まります。
このループはシンプルに強化されていく構図がとても重要に思えました。

一括請負でも経営としてエンジニアのスキルは重視されると書きましたが、「納品のない受託開発」との最大の違いは、エンジニアの自分自身への肯定感なのかもしれません。
従来のプロジェクトには、様々なスキルのエンジニアが存在しているため、自分のスキルの発揮がプロジェクトの成功に繋がりにくいです。ましてや顧客の事業への貢献はもっと実感しにくいでしょう。
うまく行かないプロジェクトの兆候はスキルが高い人が誰よりも敏感であるため、悪い行き先が分かっているのに、流れを変えれないという無力感を感じることも多いと思います。
それに対して、「納品のない受託開発」では、自分の実力を発揮することが、顧客への事業の貢献に繋がり、結果として会社にも貢献することを実感するため、エンジニアが自分自身の価値を肯定できるのではないかと思いました。
ただし、倉貫さんが書かれている通り「エンジニアの楽園」なのではなく、実際に実力を発揮して、顧客とともに事業を作っていける人材である必要があります。これにはTIPSと表現されているように技術面、マインド面の両方を求められます。ビジネスを無理に拡大して、人材を増やしてしまい、結果としてループの強化を損なうよりは、この小さな強化のループをギルドという形でたくさん作っていく方が理にかなっているのだと思いました。

この書籍は、「自分は経営者じゃないし」「自分の会社のビジネスでは無理」という理由で読まないのはもったいないです。倉貫さんはかつて私たちと同じ境遇でした。そこから向かうべき方向性を考え抜いて、一つ一つの制約と向き合ってきた結果がこの書籍に書かれていることなのです。それを意識して読むと、自分自身の抱えている変えれないと思っている制約のいくつかは、変えることができることに気付くでしょう。私も今回、自分のできることは何かをもう一度、考えるキッカケになりました。

「はじめてのTeam Foundation Server」電子書籍化!

今年のはじめに発売以来、ずっと在庫切れが続いていた「はじめてのTeam Foundation Server」(秀和システム)が、電子書籍化されました。お値段も紙より少し安めの2520円です。

Amazon.co.jp: TECHNICAL MASTER はじめてのTeam Foundation Server 電子書籍: 中村薫, 亀川和史, 細谷泰夫, 清水頼行: Kindleストア

TFSを初めて導入する方はもちろん、とりあえずデフォルト設定で使っているという方にもおすすめです。

Agile Japan 2014申し込みはお早めに!

Agile Japan2014の参加申し込みですが、例年、早期割引期間でほぼ定員に達してしまうので忘れている方は、お早めに申し込みください。プログラムも出そろっています。

http://www.agilejapan.org/registration.html

今年の特徴の一つに公募セッションがあります。
公募セッションは文字通り、Agile Japanでの発表を一般に募集し、その中から実行委員会で選ばせていただいて発表していただくセッションになります。
公募セッションをやろうというアイデアを最初に話し合ったとき、実行委員会では、「応募してきてくれる人がいるだろうか?」という話も出たのですが、ふたを開けてみると非常に多くの方に応募していただきました。しかも数だけではなく、内容もとても期待できるものばかりで、選ぶのがとても悩ましい状況になりました。実行委員会のメンバーは本当に昔からアジャイル開発を広めるための活動をしてきた方も多く、今回の公募に応募いただいたセッションを見て「これだけでAgile Japanを今までやってきてよかった」と言われてた方もいます。
Agile Japanは「日本のアジャイルの今」を感じることができるイベントです。
私達と一緒に、それを感じてみませんか?

4/23(水)アトラシアンユーザグループ大阪

4/23(水)にアトラシアンユーザグループ大阪の初めてのイベントを開催します。
今回は、アトラシアンのエバンジェリストの長沢さんをお迎えしてお話してもらいます。
また、私も「新人を中心としたチームでのアジャイル開発事例」ということで、ソフトウェア品質シンポジウム投稿応援フォーラムでお話した内容の再演をします。
こちらは、1、2年目のメンバーを中心としたチームでのアジャイル開発をどのように行っているかということを、計測している数値データも交えて紹介させていただきます。

4月23日 第 1 回 Osaka Atlassian User Group #augj (大阪府)

アトラシアン製品を使っていない皆様もまったく気にせず参加していただける内容になっていますので是非ご来場ください。
もちろん、アトラシアンユーザの皆様は、ユーザ同士の交流やエバンジェリストへの質問等、得られるものが多いと思います。
また、これからのユーザグループの活動をお手伝いくださる方も募集中です。