Yasuo's Notebook

ソフトウェア開発の話題が中心の備忘録です。

「どこまで書くか?」について

SQiPシンポジウム2012(http://www.juse.or.jp/sqip-sympo/)のSIGに「要求仕様には何をどこまで書けばいいの?」というテーマを見つけました。とても興味深いテーマで、実際に悩んでいる人も多いと思います。
実際、同じ組織でもプロジェクトや人によって、「どこまで書くか?」は違うことが多いのではないでしょうか?組織として、「どこまで書くかを統一する」活動をしているところもあると思います。
自分自身を振り返ると、私はプロジェクトによって「どこまで書くか」を変えています。
本当に最低限の形式化しかしない場合から、形式的な仕様記述に近いようなレベルまで幅があります。私は、「どこまでが要求の範囲か?」という議論と「どこまで書くべきか?」は明確に分けて考えた方が良いと思っています。「どこまで書くべきか?」は「こうあるべきもの」と言えるものではなく「関係者によって合意すること」だと思うからです。新しい顧客、パートナー、メンバーに対して、この合意を行わない場合に「全然記述が足りない」「いや、この時点では十分」のように意見が対立することが多いように思います。

「どこまで書くか?」は合意することだとして、本質的な「要求を読みとり、(言葉でも文章でも)表現するスキル」が重要です。これは設計も同じで、設計書を書く書かないや、明確に設計フェーズの有る無しに関わらず「設計する」ということが重要であると牛尾さんや倉貫さんのブログでも指摘されていました。

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自分が考えていることを、きちんと言葉や文章で表現するスキルを最初から持っている人は少なく、意識して訓練することが必要です。個人的にはコミュニティなどで発表するのはかなり良い訓練だと感じていますが、ブログやメールを書いたり、ミーティングなどの普段のコミュニケーションの中でも意識をすることで十分訓練ができると思います。