Yasuo's Notebook

ソフトウェア開発の話題が中心の備忘録です。

「効率化」の誘惑

今年の連休の最後の日は部屋の片付けをしていました。自宅の本の数がとてもやばい量になってきたので自炊をしました。そのときに、気付きがあったので書いておきます。

私の家には自炊のために以下の道具があります。

スキャナ ScanSnap S1500
http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/s1500/

裁断機 CARL DC-210N
http://www.carl.co.jp/products_list_5.html

1.自炊に必要なプロセス
(1)本の分解
私が持っている裁断機は一度に40枚程度しか裁断することができません。よって、本を1度に読める量に分解する必要があります。方法は背表紙を取って、後ろから剝ぎ取るような感じです。

(2)裁断
分解した本を裁断機を使って裁断します。

(3)読み取り
スキャナにセットして裁断した本を読み取ります。使用しているスキャナには自動原稿送り、両面読み取り、エラー検出(重なりなど)の機能があります。

2.最初にやった方法
最初は、以下のように実施しました。

1冊分を全て分解→全て裁断→全て読み取り

ただし、読み取りはスキャナの制約で2度に分けて読み取りしました。

この手順で実施しているとなかなか効率的に作業が進まないことに気づきました。発生した事象は、以下の通りです。

・裁断したものをページ順に並べる際にミスをしてページ順がおかしくなる
・裁断時に紙が切れきれていないものが混入し、読み取りエラーが発生する
・裁断時に紙が切れきれていない現象が発生した際は、同じような状況が他のページにも発生しているが、読み取り枚数が多いと全ページチェックできない。(スキャナでエラー検出するたびに対処)
・エラーの対処の際に並べ替えなどのミスが発生する。

3.改善した方法
しばらくやってから、「これはおかしい」と思いました。
いつも通り、在庫を作らずに反復した方が効率が良いのではと思い試してみました。以下のような手順です。

「20枚程度を分解→裁断→読み取り」を繰り返す。

この方法を実施することにより効率がかなり改善しました。改善したポイントは以下の通りです。

・1度に無理のない量した裁断しないため乱丁が大幅に減少
・仕掛かりが発生しないため、並び替えなどのミスがなくなった
・乱丁が発生しないことによる読み取りエラーの減少
・読み取りエラー発生時に他に乱丁がないか全数チェックすることによりエラーを事前に予防
・読み取り枚数が少ないのでエラー対処時の誤りが発生しない

4.タイトルの「効率化」の誘惑の話
ここまでの話は日常の身近なことから反復することや、仕掛かりを作らないことについての気付きを得たということですが、今日のエントリはここからが本題です。改善した後に作業を続けてやっていると、悪魔の囁きのように「もう少し一度に読み取る量を増やせるんじゃないか?」ということが頭をよぎりました。
そして、その誘惑にまけて何度か一度に処理(分解、裁断、読み取る)する量を増やしてしまいました。
するとエラー発生率が上昇し、20枚程度の方が効率が良いということになり、20枚に戻します。
それにも関わらず、しばらくすると「そろそろ増やしてもいいんじゃないか?」という誘惑にかられてしまいました。
結局何回か同じことを繰り返してしまいました。ここから判ったのは、私が自分で思う以上に「同じことをなるべく
繰り返した方が効率が良い」という体験が染み付いているということです。
それが何故染み付いたかははっきりしませんが、子供のころからの教育であったり、会社生活であったり長い時間をかけて刷り込まれたものだと思います。
この体験から改めて思ったのは、私と同様に「同じことをなるべく繰り返した方が効率が良い」ということが刷り込まれている人は多くいて、そうでない方法を聞いたときに反射的にネガティブな反応をしてしまうもの無理がないということです。その刷り込みを超えて理解をしてもらうには、丁寧に説明を続けていくのはもちろんのこと、実際に体験をしてもらうことが重要だということを改めて強く感じました。